夢の中へ
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ストーリー
さえない役者、鈴木ムツゴロウ(田中哲司)は、タエコ(夏生ゆうな)と同棲中。タエコはスズキと同期の劇団仲間で、彼の役者人生に惚れて、役者をやめ彼との生活を始めたが、10年経ってもブレイクしない鈴木に愛想を尽かしている。
鈴木は、三流劇団の女優ランコ(市川実和子)と恋仲になっている。ランコは、この劇団のリーダー町田(岩松了)と関係があり、町田はこの2人のことをよく思っていない。
そんなある日鈴木は、次の舞台のために稽古に来ていた。鈴木の舞台の演出家(温水洋一)は、井上陽水の曲「夢の中へ」を独り言のように口ずさんでいる。誰もがこの舞台がうまくいくとは思ってはいない。そこにきて鈴木の体調に異変が…。小便がしみるのだ。鈴木はすぐに性病だと直感する。女たらしの鈴木の頭には、2人の女の顔が浮かぶ。ランコと、もう一人の女優。どちらなのか?友人ケイジ(村上淳)に聞く が、彼にはわからない。ランコの劇団の劇団員と便所をともにした時、彼が小便を痛がっているのを見るにつけ、ランコが怪しいと思いランコを追求すると、逆切れされ家を追い出されてしまう。
自分の家に帰ればタエコが家をでる準備をしている…。
やぶれかぶれの一日が終わって、倒れこむように鈴木が眠ると、突然夢の中にテロリストの鈴木。テロリストの鈴木は肩に銃弾を浴びて血まみれ。車内には彼を助けようとユウジやケイジ、タエコがいる。皆テロリストの一員らしい。そしてその悪夢からさめると今度は取り調べ室。そこにはおっかない鈴木の親父(麿赤兒)と、なぜか次の芝居の演出家(温水洋一)もいる。何の取り調べかもわからずただただ怒鳴られる。
そして目を覚ます鈴木、タエコがいない。タエコは友人(小嶺麗奈)の家へ逃亡していた。鈴木は東京を逃げ出す口実として、同窓会に行くことを決意。父(麿赤兒)のたまには帰って来いという、強い催促もあった。
そして、実家に帰ろうと電車に乗っている最中も何度も夢を見る。テロリストの夢と取り調べの夢。そこでは現実の人間が刑事になったりテロリストの仲間であったりする。鈴木はどんどん夢に侵食される。夢の鈴木が「今日ヘンな夢を見た」という。「俺、夢の中でしがない役者で…お前と同棲してんだよ」とテロリストのタエコに言う。また、変な男(オダギリジョー)と女(菜葉菜)に会って、もみくちゃにされたり…。どちらが現実か区別がつかなくなる鈴木。
実家に帰り、ユウジ(オダギリジョー)やケイジ(村上淳)と交友をあたため、久しぶりに父(麿赤兒)や妹(臼田あさ美)とも会う。
同窓会の夜、すべてが爆発する。今まで生きてきた人生すべてに対し、反省と怒りがこみ上げてくる。夢の中の鈴木は、これですべて終了と宣言し、同窓会で絶叫したまま、その場所を飛び出していく。
夜の道を絶叫しつつ、「夢の中へ」を歌いながら走り抜けていく――。